この記事では、Hervard Health Publisingに寄稿した飛蚊症患者でライターのハイジゴッドマンの記事を要約しています。
投稿された記事は、ちょうど今から1年前の2017年の8月でして、最先端のアメリカにおけるレーザー治療の実態について伝えています。
【最先端】アメリカの飛蚊症レーザー手術【ワイスリングの見え方】
大きな濁りの名前はワイスリング
飛蚊症は、様々な大きさと形を持ち、薄く見えるものもあれば色濃く見えるものがあります。
この中でも、視界の邪魔となりストレスを感じさせるものは、ワイスリングと呼ばれます。
ワイスリングは、硝子体が網膜から分離するときに発症して、ほとんどの場合において網膜から裂けることなく分離して生じるものです。
新しいレーザー技術
2017年7月20日にJAMA眼科学会で発表された研究では、YAGガラスレゾリシスと呼ばれるレーザー治療が新たに発表されました。
この技術は、従来のレーザー技術とは異なり、加熱することによりワイスリングを蒸発させて除去するものです。
実際に、ボストンの眼科医であるChirag ShaH博士は、「組織が気化し気泡に変わるのを見ることができた」と発表しています。
治療の効果の検証
ハーバードメディカルスクールのシャー博士とジェフリー・ヘイエール博士は、飛蚊症患者に対して以下の調査を行いました。
1.患者を52人無作為に選んで二つのグループに分ける
2.片方に本物のレーザー手術をもう片方に偽のレーザー手術
3.半年後に実際の効果を検証する
上記の手順を踏まえて得られた調査結果は、本物のレーザー治療を受けた患者の53%に効果があったことを示すものでした。
結論から言えば、レーザー治療を受けた飛蚊症患者の約半数に改善の兆候が確認できたといえます。
調査結果に対する批判
レーザー治療の効果に関する調査方法には、様々な方面から下記のような批判があります。
- 1990年代初頭からの技術であるが安全性の証拠に乏しい
- 金銭の受け渡しによりデータのねつ造の危険性
- 患者にワイスリングだけを持つ人を選んでいる可能性
これらの批判に対して、博士はすべての患者に適用されるわけではないことを強調しつつ、ワイスリング以外の濁りにも効果が期待できると伝えています。
あなたは何をするべきか
シャー博士は、新しいレーザー治療技術の効果がはっきりとしたものになるまで、2つの選択があると伝えています。
一つは、硝子体切除術でありまして、目の後ろからゲルと濁りを外科的に取り除く手術を行うことです。
しかし、白内障や網膜剥離などのリスクがあるため、通常は最後の手段となる方法です。
もう一つの選択肢は、技術が確立するまでの間、ワイスリングを無視することです。
多くの場合、時間とともに目の中心部から移動して、目立たなくなると指摘しています。
アメリカのレーザー治療の記事を読んだ感想
英語圏の飛蚊症に関する記事を多く読みにしたがって、治療の実態が日本とあまり変わらないと感じました。
最新のレーザー治療の技術は次々と生み出されていますが、いまだに患者によって効果に大きな差があることが明らかになりました。
そして、好ましいデータが得られるようにサンプルとなる患者を選んだとしても、約半数にしか効果が表れなかったのがリアルな実態と考えます。
さらに、20年以上におよぶ技術であるにも関わらず、目に与える悪影響について確たる証拠がない医療的事実に打ちのめされます。
無視するという選択肢の提示
シャー博士による2つめの対策は、症状を無視するということでした。
英語圏でも使用されていることに新鮮な驚きを覚えますが、やはり真理をついているように考えます。
具体的な対策法がない以上は、気にするだけ時間の無駄でありまして、気にならなくなるための方法を考えていく必要があります。